1.今後も反日騒動は起こる。
中国での反日騒動も、一息ついたようだ。しかし徹底した反日教育の中で育った中国の青年たちが、今後、もっと大きな反日騒動を起す可能性は否定できない。
この数年、中国の経済発展はめざましい。多くの経済指標もそれを裏付けている。中国の青年たちの多くは、それらの情報をインターネットや携帯電話を通じて熟知しており、彼らの意識の中には経済大国意識が芽生えてきている。ところが現実には貧富の格差が大きく開き、能力の差もあいまって希望する職種に就けない青年たちも多く、彼らは情報と現実の狭間でいらだっている。
しかも現在の中国の青年は、大半が一人っ子で、わがまま放題に育っており、その結果、彼らの心中には「自分たちはなにをやっても許される」という駄々っ子のような感情が住みついている。彼らは小皇帝と揶揄されている。そんな彼らに浅薄で扇情的な反日情報が流れると、彼らは容易に実力行使に出る。しかも日本人の買春ツアーなどの情報が大々的に報道されると、中国人男性青年の心は嫉妬心に燃える。青年たちの反日意識の根底には、大国意識といらだち、そして嫉妬心などが混在している。
さらに中国では、これらの青年の反日騒動に乗じて、政治的ねらいを達成しようとする勢力が存在する。この勢力は、青年の実力行使を黙認し、助長する。したがって今後とも青年たちが暴発する可能性は大きい。最近、「抗日オンライン」と名付けれた日中戦争ゲームが、共産党系組織と民間IT会社との共同で製作されたという。もしこのゲームが大流行する事態ともなれば、これに興じた小皇帝たちが、ヴァーチャルと現実の区別ができなくなり、やがて遊び感覚で暴発し、常軌を逸した反日騒動を巻き起こす可能性がきわめて大きい。
中国で働く日本人は、そのときを想定して覚悟と準備をしておかねばならない。
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2.旧満州(琿春市)での操業開始。
日本では、このところ戦後60年と名うって、いろいろなテレビ番組が放映されたり、各種の行事が行なわれている。それらの中には、旧満州の報道も多く見られた。その画面上では、老人たちが終戦時の阿鼻叫喚の地獄絵体験を、涙ながらに語っていた。また本来満州居留民を守るという役目の日本軍に、弊履の如く捨て去られ、その恨みを語る人も多かった。 私は、今年11月から、その旧満州の地、吉林省琿春市で縫製工場の操業を開始した。そのため私は、今年に入って、琿春市になんども足を運び、立地条件などを調査した。その結果、企業環境情報の他にも、現地の人たちからいろいろなことを教えてもらった。ことに琿春市近辺には、60年以上前、日本軍が作った橋がいまなお残存し、現在も使用されていることや、この地には私と同郷の岐阜県の朝日村・大和村の開拓団が入植していたことなどを知ることができた。
≪私は、現地の人に案内してもらって、その橋のたもとまで行ってみた。そこで、その頑丈な橋脚とおだやかな川の流れを見ながら、静かに目を閉じた。数秒後、脳裏にはその橋を通って逃げ惑う多くの同郷岐阜県人たちの姿が浮かびあがり、耳には彼らの叫び声が聞こえてきた。私はそれから逃れようと思い、目を閉じたまま深く合掌し、なんども深呼吸をした。しかしそれは逆効果で、私の脳裏では、逃げ惑う日本人の姿が私自身に入れ替わっていった。それはこの地で仕事を始めようとしている私に対しての、同郷岐阜県人からの警告のようでもあった。私はその残像を振り払うように大きく目を見開き、その場をあとにした≫
たしかに今後、反日騒動などの影響で、この地であの地獄絵のような事態が再現される可能性は否定できない。しかし私は、一実業家として、あえてこの琿春市へ企業進出し、縫製工場を展開する。
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