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2006年3月06日
中小企業家同友会上海倶楽部 副代表
株式会社小島衣料 小島 正憲
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≪方策≫
- 中国進出日本企業は、経営期間を満了し清算を行った際に分配される残余財産を、対中戦後賠償の名目で、中国側企業に無償譲渡する。
- 日本政府は、中国進出日本企業が中国側企業に、対中戦後賠償として無償譲渡した残余財産について、該当日本企業の日本国内での損金算入処理を、法令で認める。
- 中国側企業は、日本企業から無償譲渡された残余財産を、日本の戦後賠償として受け入れ、その財務体質を公明正大に強化する。
- 中国政府は、この無償譲渡残余財産を、日本の戦後賠償として受け入れ、現状の過度な外資依存体質を改善する。
※文中では論述をわかりやすくするために、中国進出企業の形態を合弁として考察する。1995年以前は合弁形態が主流であったし、合作・独資でも大同小異の結論となるので、問題はないと考える。
≪この方策は、「四方一両得」である≫
・この方策をとれば、中国進出日本企業は、損失を出さずに、対中戦後賠償を実行することができる。
中国進出日本企業の先発組は、すでに10年以上の歳月を中国現地経営に費やし、そろそろ清算の時期にさしかかっている。なかには企業経営に失敗して撤退した企業もあるが、それとは逆に、大儲けした企業も少なくない。それらの勝ち組の中には、清算時の残余財産について、日本に持ち帰らず、中国側企業に無償譲渡する意思を表明している企業も多い。これらの日本企業が気前がよいのは、中国での長期間にわたるビジネスの中で、投資分をすでに十分に回収してしまっているからである。また残余財産とは言っても、実際には、それは不動産などが多く、それを現金化しさらに外貨に交換し日本に送金することには、まだまだ困難で煩雑な面が多いからでもある。
ところが困ったことには、残余財産を中国側企業に無償譲渡しようとすると、それは日本国内では中国側へ投資した額についてはいったん投資損失として計上されることになるが、これは税務上では寄付行為(海外寄付)とみなされ、損金不算入とされ、課税対象となり、企業は大損をすることになってしまう。したがって該当日本企業は、中国側企業にはっきりと残余財産の無償譲渡を宣言できないこととなる。
※この文中では、わかりやすくするために、残余財産と投資分をほぼ同額とみなして論をすすめる。
反面、中国側企業は、残余財産の日本への持ち帰りには基本的には反対なので、それが無償譲渡されないとわかると、さまざまな合法的手段を駆使し、残余財産そのものを限りなくゼロに近くしてしまう。そのために二重帳簿などが作成される例が多く見られるが、残念ながら日本側企業はそれを追及するだけの能力を持ち合わせていない。その結果、日本側の持ち帰り分は皆無に近くなる。そして、日本側では残余財産がゼロとなってしまうため、中国へ投資した分は、帳簿上、結局のところ、投資損失として損金処理されることになる。
つまり、日本側が残余財産を無償譲渡すると宣言しなくても、残余財産は中国側企業の手に渡ってしまい、それは日本側では投資損失として損金処理されることになるのである。だから、どうせ残余財産が損金処理される結果となるのならば、日本側企業はそれを無償譲渡することを宣言し、中国側企業に公明正大にはっきりと計上させ、さらに日本政府はそれの損金算入を認めればよい。もちろん日本側企業とすれば、その名目はどんなものでもよいのだが、戦後賠償という大義名分を使えば、日本政府も法令化しやすく、同時にそれは日中間の懸案事項の解決にも大きな波及効果をあげることができるので、それを使うのがもっとも利口な方策だと考える。
日本側が中国側に無償譲渡する額は、おそらく1兆円を超えるだろう。なぜなら1995年時点での日本企業の対中直接投資は、累計約1兆円であり、これが日本側企業の帳簿上に記載されており、損金処理対象だからである。これらの企業の中国での経営期間はすでに相当期間を経過しており、この間でこれらの企業は十分に稼ぎつくし、その投資分を回収しているはずである。したがってこれらの勝ち組企業にとってみれば、この投資額相当分の残余財産は、無償譲渡しても腹の痛まない金額でもある。もちろんこの累計金額の中には、大企業の投資分や、すでに撤退した企業の分も含まれているであろうから、それは減算しなければならないだろう。その反面、統計に現れない、いわばもぐり投資分や、勝ち組企業がこの10年間に上げた利益の再投資分など初期投資を上回る残余財産もかなりあると思われるので、それを加算すれば、中小企業の分だけでも、やはり約1兆円はあると思われる。
大企業が残余財産の無償譲渡を決定することは、一般株主の利益を損なうこととなるので、かなり困難なことであろう。しかし非上場の中小企業であれば、ワンマン社長が決定すればそれは可能である。ちなみに、対中円借款の2004年末の累計額は、約1.5兆円であるから、日本の中国進出中小企業がいっせいにこの方策を実行したら、これが借款ではなく無償譲渡であるがゆえに、円借款をはるかに上回る莫大な効果を発揮することとなり、これは十分に戦後賠償としての役割を果たすことができる。
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