提言:中小企業の対中戦後賠償(1兆円)方策
日本政府は、損失を出さずに、中小企業の対中戦後賠償を支援することができる。
 日本政府は、「中国進出日本企業が清算時点で、残余財産を戦後賠償という名目で、中国側企業に無償譲渡した場合に生じる投資損失の損金算入処理を認める」という法令をつくればよい。
 このような法令を成立させようとすると、反対者からは、「日本政府にとっては税収入が減り、損失が発生する」と指摘する声が起こってくるであろう。しかし、もし損金算入処理を認めなければ、日本側企業があえて損をしてまで中国側に残余財産を無償譲渡することは想定され難く、結果として中国側企業の手で清算時に残余財産がゼロに近くされ、日本側企業が日本へ持ち帰る分はゼロとなる。そのため該当日本側企業の帳簿上では、それは投資損失として処理され、いずれにせよ税収入は発生しなくなるのである。
 どうせはじめから税収入などは期待できないのだから、損金算入処理を認めればよい。そうすれば、日本政府は損失を出さずに、民間ベースでの戦後賠償を積極的に勧奨し、現時点で総額1兆円の実行をさせることになるのである。ちなみに2004年末の日本企業の対中投資残高は約5兆円であるから、このままその法令を続行すれば、10年後には5兆円の戦後賠償の実行を勧奨することになる。

中国側企業は、公明正大に、残余財産を取得できる。
 日本側企業が残余財産を無償譲渡する意思を鮮明にすれば、中国側企業は清廉潔白な財務処理を行い、公明正大に残余財産を取得できる。そうでなければ、いろいろな手段を駆使して、残余財産を減額させなければならない。このようなことは、中国側企業にとっても好ましいことではなく、以後の企業の発展のためにも、益とはならない。この方策は財務上の不透明さをなくし、アングラマネーを排除するという見地からも、たいへん大事なことである。
 中国側企業は、この無償譲渡された残余財産を、新たな企業を創設するための資金に当てればよい。
 また事業を展開しない場合には、政府やしかるべき機関に寄付すればよい。そしてこのような中国側企業が、中国全土に広がれば、日本側企業の戦後賠償としての意思もあまねく宣伝されることになり、それは反日感情の緩和への一助となる。

中国政府は、この方策を利用して、過度な外資依存体質を改善することができる。
 現在、中国は大幅な貿易黒字を出し、外貨をしっかり溜め込んでいる。しかしその6割強は外資企業が稼いだものであることも衆知の事実である。つまり中国経済は、外資に依存して成立しており、外資がいっせいに引き上げるような事態ともなれば、大混乱となることは必至である。
 中国政府はこの不正常な事態を、できるだけ早く解決せねばならない。しかしそのために、国際慣例を無視するような強権発動は許されない。その意味で、日本企業が戦後賠償という名目で、残余財産を無償譲渡することを甘受すれば、それは平穏裡に外資を接収する好先例となる。そしてこの方策が日本の中小企業のみならず、大企業にも採用されるとなれば、結果として、過度の外資依存体質を改善することが可能となる。

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