24.April.05
小島正憲
1.小島衣料関連の中国工場の現状。
小島衣料関連の中国公司は、すべて平穏で正常に稼動しており、反日騒動の影響
は皆無である。
今後、仮にこの騒動が拡大した場合でも、小島衣料の基幹工場である美島公司と
美旭公司は、ともに中国側との対等出資の合弁公司であるから、騒動には合弁相手
の中国側当事者が事態に対処することとなり、安定操業を確保することが可能であ
る。
ことに美島公司は湖北省黄石市にあり、社歴15年、外貨獲得では湖北省の数少
ない優秀な企業であり、地元政府にとっては不可欠の企業である。しかも設立当初
から中国側当事者や、黄石市行政ときわめて良好な関係を維持している。小島正憲
自身についても、湖北省や中国中央政府から中国の発展に寄与したとして栄誉賞を
贈られており、しかもこの騒動の最中の4月12日に、黄石市公安局から、直々に
中国永住許可証を贈呈されており、地元政府や市民とはまさに朋友の間柄となって
いる。したがってよほどの騒動でない限り、工場が影響を受けることはない。
美旭公司は上海市青浦区趙屯鎮にあり、社歴は13年、中国側当事者は鎮政府の
外郭組織である。美旭公司は趙屯鎮の最初の外資企業であり、設立以来、毎年鎮政
府に相当額の配当を支払い続けており、きわめて良好な関係を続行している。総務
や労働組合などの工場幹部にも、地元出身者が永年勤続しており、工場が外部から
の影響を受け、騒動などに巻き込まれることは考えられない。
その他、小島衣料が独資で展開している桜島公司・友島公司・偉馳公司なども、
正常に稼動している。これらの公司は規模が小さいため、日本人幹部が全従業員の
動向をしっかり把握しており、事業の伸縮も自在であり、今後も反日騒動の影響を
受けることはまったくない。
2.上海における反日騒動の状況と見通し。
わが社の偉馳公司の入居している世貿商城は、日本総領事館と対面している。ま
た私とわが社の社員の居住しているマンション(新世紀広場)も総領事館のすぐ側
にあり、1階の日本料理店などが破壊されるのを実況中継できるほどだった。この
点で、私たちは、今回の上海における反日騒動については、日本や中国での報道を
検証できる絶好の位置にいたわけである。渦中の当事者として、
今回の騒動の状況をまとめてみると、下記のようになる。
@10日ごろから、インターネット上で反日デモのよびかけが行なわれた。
それは過激なものではなくて、投石や破壊を戒め、整然としたデモを行なお
うとよびかけられていた。
A14日、上海在住のすべての携帯電話保持者に、公安当局から「デモ参加を
自粛」のメールが入った。
B16日午前10時ごろ、上海の各地に集結した若者が、日本総領事館に付近
に結集した。約1万3千人。
C公安や武装警察とのこぜりあいが続いた後、総領事館への投石がはじまり、
近所の日本料理店の破壊が行なわれた。公安はそれを制止しなかった。
D午後4時ごろまで続き、デモ参加者はその後、じょじょに解散した。
E最後まで4〜500人ほどが座り込んでいたが、公安になだめられ、準備さ
れていたバスに乗り込んで解散した。
F翌朝、上海市政府関連の人が、日本料理店などに被害の状況調査にきて、損
害賠償の用意があると話した。
Gその後の1週間は平穏であった。
H23日の朝8時、公安および武装警察(約3000人)が、総領事館の周り
を完全に防御した。デモなどはまったくなかった。
これらの状況から、今回の騒動に関する日本でのマスコミ報道はおおむね正確で
あったと評することができる。
今回の反日騒動の本質については、現在、多くの角度から分析中であり、他の情
も含めて検討中であり、見通しを断言することはできない。しかしその報後の中央
や上海政府の対応を見ているかぎりでは、今後、大きな拡大はないと推測できる。
広州では交易会に影響が及ぶことを配慮し、厳重に警戒したことなどを考えると、
たくさんの大きな国際展示会がある上海でたびたびこのようなことが起きれば、上
海市の経済的打撃はきわめて大きくなるのは必至なので、今後はデモなどを押さえ
込むであろう。ことに上海総領事館の目の前には、世貿商城と国際貿易センタービ
ルがあり、ともに大きな国際展示会場を持ち、頻繁に展示会を行なっているから、
大きな騒動が起きれば大損失となる。これはSARSのときに国際級展示会がたくさん
中止されたことで、その損失については痛感済みでもある。
広州では、日系企業で反日名目のストライキが行なわれたようであるが、実態は
不明である。おそらく他の原因との相乗の結果ではないだろか。これも現在調査中
である。
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