〜最近の反日騒動に関するわが社の現状と方針〜

4.当面の小島衣料の方針。

 A.今期の中国戦略を積極的に展開する。    政治とビジネスは別であるから、友好な関係を保持しつつ、事業を粛々進め利さ    をる。むしろ他社が躊躇しているときこそ、合弁公司を中心とするわが社の有活    かして、事業を遅滞なく展開する。ことに今期の中国戦略の主眼である武漢と上    海での新規2工場を進展させる。  B.小島衣料の中国派遣社員は、下記を行動指針として、勤務に精励すること。  @政治の問題について、個人的な見解を聞かれた場合は、余計なトラブルに巻き込ま   れないために、下記のように答えること。    「私はビジネスのために中国に来ているので、平等互恵の立場で、事業が成功す   るように全力をあげて努力をします。ただし日中間の政治的な問題に関する個人的   な見解は、発言を控えさせていただきたい。政府間交渉で、結論が出れば日本人と   して、それに従います」  A日本人として、この問題について、卑屈になる必要はない。    上海市内で日本人として、肩身の狭い思いをするのではなく、堂々と胸を張れ。   料理店やタクシーなどで日本人かと聞かれた場合、堂々と日本人と答えること。も   ちろん危険な場所に近寄ることを控えるべきであるが、日本人であることを隠すよ   うな卑屈な態度は取るべきではない。もしそのことによって、暴力を振るわれた場   合は、毅然として無抵抗・非暴力で応対すること。暴力の応酬からは何も産まれな   いからである。この毅然とした無抵抗・非暴力を貫くことによって、日本人の精神   の気高さを示すこと。ここで大ゲンカをしてみても、それは蛮勇の類である。  B一般の中国人に対しては、従前通り、心の底から敬意をはらうこと。    原則として、いかなる場合でも、すべての人間に敬意をはらうべきであり、人   種、国籍、性別、職業などで、人間を差別視してはならない。ことに中国人に対し   ては、かつて日本が中国を侵略し大きな迷惑をかけたことは事実であるから日本人   として贖罪意識を持つことが必要である。さらに小島衣料は中国の地で、中国人と   共存することによって、事業を成立させているわけだから、この人たちに儲けさせ   ていただいているという感謝の念を、心の中で抱いていなければならない。掃除や   賄いのおばさん、門衛のおじさんにもしっかり敬意をはらうこと。  C工場内では、日本人として率先垂範、労働模範となるように勤め、中国人から尊敬   されること。    中国人労働者は、日本人をしっかり監視している。彼らの目の前で、日本人の高   度な技術をしっかり伝授し、日本人の仕事に取り組む真摯な態度を学ばせること。  Dその上で、日本人は技術指導者であり、品質管理者でもあるから、仕事上では妥協   なくその任務を果たすこと。    規律違反などについては妥協なく注意し、品質基準に満たないものは厳格に処分   しなければならない。たとえ中国人社員が反日的な態度で挑んでも、この点では妥   協してはいけない。しっかり理由を示して、納得させること。  Eしかし、いたずらに居丈高にならないこと。威張らないこと。中国人の自尊心を傷   つけるような言動は絶対に慎むこと。  F小島衣料の中国派遣社員はお金を儲けるために、中国で仕事をしているわけである   から、その意味では、日本人のプライドや面子を捨てても、お金を儲けた方が勝ち   である。だからたとえ卑屈な人間と見られようとも、必要な妥協は行なうことが大   事である。たとえば、賄いのおばさんやマンションの門衛さんな拒否に会いそうに   どにはチップをはずみ、友好な関係を保っておいた方がよい。タクシーで乗車なっ   たら、泣きついて乗せてもらえばよい。それぐらいしたたかな日本人になることが   のぞましい。  G上記の注意事項はすべて忘れてもよいが、これだけは絶対に行なうこと。   小島衣料採用の中国人社員の立場を理解し、彼らが窮地に陥った場合は体を張って助   けること。   反日騒動でもっとも苦しんでいるのは、小島衣料関連公司に勤務している小島衣料採  用の中国人社員である。  彼らは日本人と中国人との間で、板ばさみになって困っている。反日騒動の場合、一般  の中国人の非難や打撃の対象は、まず最初に日系企業に勤める中国人に向かう。つまり  日ごろ日本人のために仕事をしてくれている中国人が、「日本人のイて彼らを守るため  ヌ」とさげすまれて、暴力の対象になるのである。この場合、日本人は毅然として彼ら  を守るために、盾となり犠牲になるべきである。彼ら中国人を、体を張って助けなけれ  ばならない。


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