21世紀は中国の時代である。しかし20世紀の主役=米国も、簡単にはその座を明け渡さない。米、ソ冷戦終決の様相を呈してきている。今後、世界はこの両大国に新たな冷戦を許してはならない。日本は文化・地理の両面で、米・中の中間に位置しているので、米・中のかすがい役として、まさに適任である。
経済先進国としての日本に、国際平和への貢献と地球環境の保護が課せられている今日、米・中のかすがい役を果たすことが、日本人の国際的使命である。
またこの努力は、中国侵略という過去を、能動力に贖罪する方法でもある。私は3年前から、中国の地に進出し、現在5合弁工場を稼働させている縫製工場経営者である。私の実践的体験を例にして、標記の課題を、以下に考えてみたい。
「女性の下着 から中国経済を読む」
1992年11月、イギリスの「エコノミスト」誌が、21世紀の中国の姿を統計数字で明示して以来、中国が21世紀の主役であることが、国際的に認知されつつある。しかしその反面、水ぶくれ経済体質を指摘する人も多い。確かに現代中国は、頻繁な法律の改廃、金融政策の激変、インフラ未整備のための大混乱など、物情騒然としており、日本の戦後のドサクサの時代に似ている。
最近では、税法が1月1日より、突如として抜本的に改革された。その結果、情報不足とあいまって、現在、中国全土の企業経営者が右往左往させられている。直接税主体のばらばらな法規を廃止し、中国国民が未経験の間接税主体に一気にまとめあげてしまったからである。しかもその中心の増値税という名の付加価値税は、税率が最初から17%と決定された。法令は発布されたものの、末端の税務官はまだこの税法を熟知しておらず、省ごとで解釈が違ったり、現実のケースに即するとまだ未定の規定が残っていたりで、現場は相当混乱している。
何せ税法発布1993年11月26日、外資企業への適用特例措置発布12月29日、執行1月1日というのだから、それだけ見てもか
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なり急ごしらえという感じがする。軌道に乗るまで、1年はかかるだろう。
しかしこれらの現象は、過渡期に特有なもので、中国を21世紀の主役から、ひきずり下ろすものではない。何しろ、12億の民は、生産力としても、販売市場としても絶対的な切り札である。ことに近年中国人の生活水準は、超スピードで上昇してきているので、販売市場としてはきわめて有力である。TVをはじめとする電化製品の普及状況からもそのことは理解できるが、ここでは女性の下着の変化を通じてそれを見てみたい。
3年間前に中国の工場に足を踏み入れたとき、一番興味深かったのが、女性のパンツであった。真夏の暑い時だったので、彼女たちは平気でスカートを人前でたくしあげた。その時の彼女たちは、色鮮やかなストライプや水玉のデカパンを穿いていた。日本の男性の穿くトランクスみたいなものである。そこには女性としての恥じらいとか、色気などというものは全くなかった。
1年後、それらは徐々に姿を消し、おへその上までかくれるふつうのショーツが主流となってきた。色も白、ピンクが多くなった。さらに2年後の今日では、上海のデパートには現代日本女性が着用しているのと同じビキニ型パンティがずらりとならび、高額にもかかわらず、好調に売れている。レース主体のシースルーのものも多い。
そのような中で日本から進出した女性下着製造メーカー・ワコールは、中国女性に最新下着を売り、多大の利益をあげている。またそれにつれて派手にスカートをまくりあげる女性も減ってきた。つまりわずか3年間で、資本主義のビキニパンティが社会主義のデカパンを駆逐してしまったのである。
中国女性は先進国女性に、生活レベルでも、その恥じらいの思想でも追いついたのである。あらゆる分野でこの現象が起きてきているのだから、中国市場は、資本主義国の成熟しきって売るものがない市場よりもはるかに魅力的だと言って良いだろう。
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