1P 350円~ グレーディング
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パタンナーがグレーディングを担うと大変!サイズ展開の専門職「グレーダー」について解説

グレーディングをパタンナーが兼務しているケースは少なくありません。本来は別の専門技術であるにもかかわらず、限られた人員や予算の関係から、現場では一人が複数の工程を担うことが当たり前になっています。しかし、これがさまざまな問題を引き起こす原因にもなっています。

本記事では、アパレルにおける「グレーディング」の重要性に焦点を当て、グレーダーという専門職の役割や、社内外での体制構築について詳しく解説していきます。

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ブランドの「質」に結びつくサイズ展開の重要性

アパレル業界では、トレンドを取り入れた魅力的なデザインや、素材のクオリティはもちろん重要です。しかしそれと同じくらい、あるいは場合によってはそれ以上に、「サイズ展開の正確さと整合性」が重要視される局面が増えています。特にオンラインでの販売が主流になってきた昨今では、実際に試着せずに購入される機会が増えているため、グレーディング(サイズ展開)の精度が顧客体験に直結するようになりました。

グレーディングが重要とされる背景には、主に以下3つの理由があります。

顧客満足度を高めることができる

服を手に取ったときの第一印象は、色やデザイン、素材感などのビジュアル的な要素に左右されがちですが、実際に購入後の満足感を決定づけるのは着心地とサイズ感です。どれだけ美しく見えても、自分の体型に合わない服は着るたびにストレスとなり、次第にタンスの奥に追いやられてしまいます。

その点、サイズ展開が適切に設計されているブランドの商品は、試着した瞬間に「これは自分に合っている」と感じることができ、自然と愛着や信頼感が湧きやすくなります。それがブランドロイヤルティの醸成にもつながり、「このブランドの服はサイズ選びで迷わない」というポジティブな印象が顧客の中に定着していきます。

返品率の低下とコスト削減

ECサイトでの購入が増える中、サイズ違いによる返品はアパレルブランドにとって深刻な課題です。特にボトムスやアウターなど、フィット感が重要なアイテムは返品率が高くなりやすい傾向があります。返品が発生すると、物流費、再検品、再販の手間など、さまざまな間接コストが発生し、最終的にはブランド全体の収益性を圧迫する結果となります。

正確なグレーディングができていれば、こうした返品の多くを未然に防ぐことが可能です。製品自体の完成度が高ければ、消費者の満足度も上がり、無駄なコストを削減しながら健全な利益構造を維持できるのです。

ブランドの信頼性向上

サイズが安定しているブランドは、一貫性のある品質管理がされている印象を与えることができ、自然と信頼を集めます。一度でも「このブランドはサイズがバラバラ」というネガティブな評価を受けると、以後の購入をためらわれてしまう可能性が高くなります。

逆に、どのアイテムを選んでも安心して自分のサイズを購入できるブランドは、リピーターを獲得しやすく、販促コストを抑えながらファンを育てることができるという大きなメリットがあります。サイズ展開の精度は、単なる製品仕様の問題にとどまらず、企業の「信頼資産」にも深く関係しているのです。

アパレルグレーダーが担うグレーディングの専門技術

このように顧客満足度やコスト、ブランドの信頼性などの面で非常に重要なグレーディングですが、グレーディングは単に縮尺を変えてそのままサイズを変えるだけではありません。
専門のグレーダーが行うグレーディングは、専門技術を駆使して次のような点に配慮しながら行います。

プロポーションの維持

人間の体型は単純な「縦横の拡大・縮小」では表現できません。例えば、身長が高くなるにつれて肩幅や腕の長さがどう変化するかは、実際の体型統計データに基づいた高度な知識が必要になります。アパレルグレーダーは、こうした体型の変化を理解しながら、サイズアップ・ダウンに伴うプロポーションの美しさを保つことに長けています。

また、特にファッション性の高いデザインでは、どのサイズでもスタイルが破綻しないように微調整を行う必要があります。単なる数値調整ではカバーできない部分を見極め、人が着たときの「見え方」まで想定する力がグレーダーには求められます。

可動域の確保

着用時の快適さは、見た目以上に動きやすさに左右されます。サイズが大きくなると体表面積が増える分、布地の動きやテンションのかかり方も変わってきます。特に腕周りや股下などの可動域は、体型の変化に応じたゆとり設計が欠かせません。

アパレルグレーダーは、ただサイズを広げるだけでなく、実際の動作を想定した寸法バランスの調整も行います。見た目のシルエットだけでなく、着たときの「ラクさ」を数値の裏側でデザインしているのです。

シルエットの一貫性

どのサイズでもデザインの持つ印象が変わらないようにするためには、シルエットのコントロールが非常に重要です。例えば、Mサイズではウエストが締まっていて美しく見えたジャケットが、LLサイズになるとシルエットが崩れて野暮ったく見える、というケースはよくあります。

グレーダーは、サイズによる体型の変化を理解した上で、それぞれのサイズにおける「理想のシルエット」を再設計していきます。デザイナーの意図を尊重しつつ、すべての体型でブランドイメージを崩さない。これが、グレーディングという仕事の奥深さでもあります。

素材特性への配慮

ストレッチ性のある素材や、落ち感の強い柔らかい素材など、使用する生地によってサイズ感の出方は大きく変わります。素材によっては、同じ数値でもフィット感がまったく異なることも珍しくありません。

グレーダーはこうした素材の特性を理解した上で、生地に応じたグレーディング方法を選択します。テンションのかかり方や伸縮の方向性など、テキスタイルの物性と向き合う繊細な判断が求められるのです。

パタンナーがグレーディングを兼務することの非効率性

上述のように、グレーディングは専門の技術・経験が多数求められる大変奥深い領域です。
しかしながら、アパレル業界の実態としてグレーディングをパタンナーが兼務しているケースは少なくありません。
場合によっては、「縫製工場に発注をすると、工場がグレーディングをおまけでやってくれる」というケースもあるようです。

グレーディングを専門のグレーダー以外の方が兼務することで起きている課題としては、次のようなものが挙げられます。

作業負担の増加

パタンナーの本来の業務は、デザイン意図を形に落とし込み、サンプルを作成することにあります。1つの型紙を仕上げるまでには、デザイナーとの打ち合わせ、仕様の検討、縫製しやすさや素材への配慮、試作、修正…と、多岐にわたる工程があります。ここに加えてグレーディングまで任されると、時間的にも体力的にも大きな負担となるのは避けられません。

特にシーズンの立ち上がりや展示会前などの繁忙期には、納期を守ることすら難しくなるケースが頻出します。結果として、本来注力すべきパターンのクオリティや修正対応に割く時間が削られ、全体の品質低下やミスの温床になる可能性も高まります。

専門性の不足

グレーディングは、前章で詳しく解説した通り、パターンと同じく高度な専門技術を必要とする分野です。体型の統計的理解、シルエットの視覚的調整、素材特性の考慮など、単純な拡大縮小とはまったく異なる繊細な作業が求められます。パタンナーがグレーディングを「なんとなく」行ってしまうと、本来のバランスが崩れ、着用時の快適性や見た目の印象が著しく損なわれてしまう危険があります。

また、パタンナーは自身が設計したパターンに愛着を持ちすぎるあまり、客観的なサイズ展開の判断が難しくなることもあります。グレーダーのように、冷静かつ論理的にサイズバリエーションを構築できる人材の関与が、やはり必要なのです。

手戻りの発生

パタンナーがグレーディングを兼任すると、ミスや見落としが起きやすくなります。例えば、Lサイズだけ丈が不自然に長かったり、袖幅が極端に広くなっていたりといった“見えない歪み”が後工程で発覚することもしばしばあります。こうなるとサンプルの再製作や修正作業が発生し、全体のスケジュールにも影響を及ぼしてしまいます。

手戻りは人員やコストの浪費だけでなく、パタンナー自身のモチベーションや達成感を損なう要因にもなりかねません。グレーディングを別の専門職に分業することは、作業の効率化だけでなく、チーム全体のパフォーマンスを高める意味でも非常に重要です。

企業内でグレーディングの品質を向上させる方法

では、グレーディングの品質を向上するために、企業はどのような取り組みをしたらよいのでしょうか。

社内トレーニングの実施

まず取り組みやすいのは、既存スタッフへのグレーディング教育の強化です。特に新人パタンナーやサンプル担当者に対して、サイズ展開に関する基本的な考え方や業界基準、体型変化に伴う補正方法などを体系的に教えることは、現場全体のスキル底上げにつながります。

さらに、外部講師によるセミナーやワークショップを定期的に実施することで、最新の技術やトレンドを学ぶ機会を設けることも有効です。グレーディングは一度習得すれば終わりではなく、常にアップデートが求められる分野であるため、継続的な学習環境を整えることが求められます。

専用ソフトウェアの導入

近年はCADソフトを中心に、グレーディング機能を搭載したアパレル向けの設計ツールが多数登場しています。これらを活用すれば、体型に応じたサイズ展開をルール化して自動的に生成することや、過去の実績からテンプレートを流用することも可能です。

また、可視化や3Dモデリング機能を備えたソフトを導入することで、実際の着用シルエットを確認しながら調整できます。こうしたツールの活用は、作業時間の短縮だけでなく、グレーディングの一貫性や精度向上にも大きく貢献します。

フィットモデルを活用した検証

数値だけでなく、実際に人が着て確認する工程も忘れてはなりません。社内で規格体型に近いフィットモデルを採用し、サイズごとに着用確認を行うことで、想定外のバランス崩れや着心地の問題を早期に発見できます。

フィッティングの様子を記録し、パタンナーやグレーダー間で共有することによって、感覚だけに頼らない客観的な判断材料としても活用可能です。サイズ展開の品質向上には、数値・ツール・現物の三位一体での検証が欠かせません。

外部のアパレルグレーダーを活用する

上記のような取り組みがコストや人員の兼ね合いで難しい場合は、グレーディングのみを専門のグレーダーに外部委託できるサービスを利用するのものおすすめです。
こちらについては、次章で詳しくご紹介します。

外部のアパレルグレーダーを活用するメリット

グレーディングを専門企業に外注することは、以下のようなメリットがあります。

品質の安定化

外部グレーダーは、多くのブランドや商品を手掛けた経験から、実績に裏付けられた知見と判断力を持っています。一定の基準に基づいたサイズ展開が可能になるため、商品ごとにバラつきが出るリスクを大幅に軽減できます。

特にシーズンやカテゴリをまたいだ一貫性を保ちたい場合や、同時に複数の商品を展開する場合など、ブランドとしての統一感を出すためにも、外部の客観的な視点が有効です。

コストパフォーマンスの向上

一見、外注はコストがかかるように思えますが、手戻りや品質トラブルによる再作業、返品対応のコストを考慮すると、むしろ総合的にはコストダウンにつながるケースが少なくありません。

また、グレーディング業務を社内の他作業と切り分けることで、パタンナーの作業効率も上がり、全体の生産性が改善されるという副次的な効果も得られます。

納期の短縮

外部のグレーダーは、専門性を活かして短期間で高品質なグレーディングの提供が可能です。社内のリソースが限られている場合でも、繁忙期のボトルネックを外注で解消することで、納期全体の短縮が期待できます。

特に展示会や新作リリースのように、時間が限られているプロジェクトにおいては、確実なスケジュール管理のための外部連携は不可欠です。

パタンナーの負担軽減

外注によって最も大きな恩恵を受けるのがパタンナーです。本来注力すべきクリエイティブな業務に集中できるようになり、結果的に製品の魅力自体も向上していきます。

グレーディングという「裏方」の工程においても、専門家の力を借りることで、ブランド全体の品質と信頼性が底上げされるのです。

ブランドイメージ・商品品質を底上げする小島衣料の「グレーディング」外注

弊社小島衣料でも、専門のグレーダーが多数在籍しており、グレーディングを委託いただけるサービスを提供しています。

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という方は、ぜひグレーディングの外注サービスの候補として、弊社小島衣料のグレーディングサービスもご検討ください。
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